■「1匹あたり150万円」の難病を2匹が発症
環境省の計画によって、奄美大島ではノネコの捕獲がつづいている。捕獲から1週間がたち、引き取り手がいないノネコは「殺処分」されてしまう。

そんなノネコを救うため、美容師の服部由佳さんは1年前、銀行から500万円を借りて、横浜に譲渡型猫カフェ「ケット・シー」を開いた。この1年で42匹のノネコが新しい家族(里親)をみつけ、殺処分を免れている。

しかし運営は大変だ。服部さんは「これほど医療費がかかるとは思いませんでした」と打ち明ける。

「下痢など調子が悪くなって病院に行くたびに数千円。治療に一週間かかることもざらにあります。歯周病などになって歯を抜くとなると、手術で数万から数十万円かかります。幸い親しくしている獣医師の先生のご厚意で、少し安くしていただいたりもしますが、それでも昨年10月にFIP(猫伝染性腹膜炎)という病気を猫が発症した時には焦りました。3カ月間の治療が必要で、1匹あたり150万円かかるのです」
■服部さんを含め、全員が無給のボランティア
「猫同士が“助け合う”感じですね」

私の心配を察知したように、服部さんが言う。

「譲渡金は4万円ですが、最初のワクチン接種や検査などの初期医療は、2万5000円あれば足ります。つまり健康な猫なら、譲渡金4万円からおつりがくる。そのあまりを、他の猫が体調を崩した時の治療費にまわすんです。餌代? ああそれはもちろんかかりますね。でも、餌などの物資を寄付してくださる方もいますから。もちろん、なかなか譲渡されず、長くこの『ケット・シー』にいる猫ほど、餌、トイレ、光熱費など日々の生活でお金がかかってしまいます。でも今は、月間の活動支援金が50万円くらいありますから大丈夫」

猫カフェでもあるケット・シーの入場料は1時間1100円。これが「サポートマネー」(活動支援金)になっているが、収益は月20万円程度。組織運営の要となるのは、1匹4万円の「譲渡金」である。

だが、テナント料(家賃)が月20万円、銀行から借りた開業費500万円の返済額が月7万1000円だから、通常のビジネスとして考えれば赤字だろう。

■「全ての生き物に心から優しい国になってもらいたい」
今だから言うけれど、みんなからいろいろ言われて悔しくて泣いたこともあった、と服部さんが言う。

開業前にロングだった彼女の髪は、一年後の今はボブになっていて、そこに服部さんの強い意志を私は感じた。

ケット・シーをオープンする直前、服部さんは私にこう話してくれたのだ。

「奄美大島のノネコを中心に救っていきますが、全ての生き物に本当に心から優しい国になってもらいたい。殺処分がなくなるまで頑張っていく」


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このご時世、ここまで苦労されて運営されているとは・・・
スタッフの方や猫達にはぜひ幸せになって頂きたいです。